(1) 原文
De quodam qui major voluit esse
3816. Quidam ad me dixit, quod nihil sim, cui responsum, annon bene sit, quod sit talis qualis est, an quis debeat velle esse major quam est, nam quisque est minimum partis inter myriades myriadum myriadum, talis est, et usque vult major esse, cum tamen cum in veritate fidei, non potest [velle] major esse quam est, hoc est paene nihil inter tot, et porro, cum quisque velit major esse quam est, quid inde? 1748, 2 Nov.
(2) 直訳
De quodam qui major voluit esse ある者について、その者は偉大(高位)である☆ことを欲した
☆「偉大である」よりも「さらに大物である」のほうがよい訳かもしれません。
3816. Quidam ad me dixit, quod nihil sim, ある者が私に言った、私は無(無価値)であること、
cui responsum, annon bene sit, quod sit talis qualis est, an quis debeat velle esse major quam est, その者に〔私は〕答えた、よいのではないのか、このような者である(接続)こと、どのような者である(直接)〔かによって〕☆、だれが〔今〕あるよりも偉大であることを欲しなければならないのか、
☆ 接続法 sit と直接法 est の使い分けが興味深いです(日本語にないので)。ここは「人にはそれぞれの生き方がある」と超意訳することも可能でしょう。
nam quisque est minimum partis inter myriades myriadum myriadum, talis est, なぜなら、それぞれの者が一万(無数)の一万(無数)の一万(無数)のものの間の部分の最小のものであるからである、このような者である、
et usque vult major esse, cum tamen cum in veritate fidei, またそれでも、偉大であることを欲する、そのときそれでも信仰の‶真理〟の中に〔いる〕とき、
non potest [velle] major esse quam est, hoc est paene nihil inter tot, et porro, 〔今〕あるよりも偉大であることを〔欲することは〕できない、このことはほとんど無である、このように多くの者の間で、またさらに〔多くの者の間で〕、
cum quisque velit major esse quam est, quid inde? それぞれの者が〔今〕いるよりも偉大であることを欲するとき、何がここから〔生ずる〕か?
1748, 2 Nov. 1748年11月2日。
(3) 訳文
偉大であることを欲したある者について
3816. ある者が私に、「私は無価値である」と言った。その者に〔私は〕答えた――よいのではないのか、どのような者である〔かによって〕このような者である、だれが〔今〕あるよりも偉大であることを欲しなければならないのか。なぜなら、だれもが無数の無数の〔そのまた〕無数のものの間の最小の部分であるからである。このような者であり、またそれでも、偉大であることを欲し、そのときそれでも信仰の‶真理〟の中に〔いる〕とき、〔今〕あるよりも偉大であることを〔欲することは〕できない、このことは、このように多くの者の間で、またさらに〔多くの者の間で〕ほとんど無である。だれもが〔今〕いるよりも偉大であることを欲するとき、ここから何が〔生ずるの〕か? 1748年11月2日。