原典講読『神の愛と知恵』 28, 29

     QUOD IPSA DIVINA ESSENTIA SIT AMOR ET SAPIENTIA.
       神的な本質そのものは愛と知恵であること。
(1) 原文
28. Si colligis omnia, quaecunque nosti, et mittis illa sub mentis tuae intuitionem, et in aliqua spiritus elevatione scrutaris quid universale omnium est, non potes concludere aliud quam quod sint Amor et Sapientia; sunt enim illa duo essentialia omnium vitae hominis; omne civile ejus, omne morale ejus, et omne spirituale ejus, a duobus illis pendent, absque illis duobus non sunt aliquid. Similiter omnia vitae Hominis compositi, qui est, ut prius dictum est, societas major et minor, regnum et imperium, ecclesia, et quoque caelum angelicum. Deme illis amorem et sapientiam, et cogita num sint aliquid, et deprehendes quod absque illis, ut ex quibus, sint nihil.
(2) 直訳
Si colligis omnia, quaecunque nosti, et mittis illa sub mentis tuae intuitionem, et in aliqua spiritus elevatione scrutaris quid universale omnium est, non potes concludere aliud quam quod sint Amor et Sapientia; もし、あなたがすべてのものを集めるなら、知られているどんなものでも、そしてそれらをあなたの心の熟慮の下に入れるなら、また何らかの霊の高揚の中で、あなたがすべてのものの普遍的なものは何か調べるなら、あなたは愛と知恵であること以外の何かを結論することはできない。
sunt enim illa duo essentialia omnium vitae hominis; なぜなら、それらは人間のいのち(生活)のすべてのものの二つの本質であるから。
omne civile ejus, omne morale ejus, et omne spirituale ejus, a duobus illis pendent, absque illis duobus non sunt aliquid. 彼の市民的なすべてのもの、彼の道徳的なすべてのもの、また彼の霊的なすべてのものは、それら二つのものによる、それら二つのものなしに何ものでもない。
Similiter omnia vitae Hominis compositi, qui est, ut prius dictum est, societas major et minor, regnum et imperium, ecclesia, et quoque caelum angelicum. 構成された「人間」のいのち(生活)も同様〔である〕、それは、以前に言われたように、大きな社会や小さな〔社会〕、王国や帝国、教会、さらにまた天使の天界である。
Deme illis amorem et sapientiam, et cogita num sint aliquid, et deprehendes quod absque illis, ut ex quibus, sint nihil. これらから愛と知恵を取り去れ、そして何ものかどうか考えよ、するとあなたは気づくであろう、それらなしに、それらからのような、何もないこと。
(3) 訳文
28. もし、あなたが知られているどんなものでもすべてのものを集め、そしてそれらを心で、また何らかの霊の高揚の中で熟慮し、すべてのもので普遍的なものは何かを調べるなら、あなたは愛と知恵であること以外に何かを結論することはできない。なぜなら、それらは人間のすべてのいのち(生活)の二つの本質であるから。彼の市民的なすべてのもの、道徳的なすべてのもの、また彼の霊的なすべてのものは、それら二つのものにより、それら二つのものがなくては何ものでもない。前に言われたように、大きな社会や小さな社会、王国や帝国、教会、さらにまた天使の天界である構成された「人間」のいのち(生活)も同様である。それらのものから愛と知恵を取り去り、それが何ものかどうか考えよ、するとあなたは、その起源としてのそれらなしに、何ものでもないこと気づくであろう。
(4) この世の本質的根元は「愛と知恵」であること
 スヴェーデンボリ神学をご存知なら、本書を読んだことのある人なら、このことをいまさら言うまでないであろう。「この世を構成している根元は何だろうか?」と思ったことがあると思う。そしてその答えがこれである。世の中にあるものを見渡すとき、このことに気づく。たとえば「車」を考えてみる。最初はなかった。だれかが「便利な乗り物を作ろう」と思ったはずである。そのとき「愛」があった。いろいろな愛が考えられるが、例えば「乗り心地のよい快適な車をつくって、人に喜んでもらおう」という愛である。そしてそれだけでは車はできず、いろいろ工夫を重ねる、すなわち「知恵」がある。それで車はそのような愛と知恵の結晶である。もちろん、鉄やその他の材料を使うが、本質を問題としている。何でもよい、酒なら、美味しい酒を造りたい、飲んでもらいたい、という愛と知恵の結晶である。そしてその愛と知恵のそのまた根元が神からの愛と知恵である。悪ならそれは悪魔の愛と悪魔の知恵からのものである。また、これは言葉を変えれば「目的と方法」といえる。目的が愛であり、その方法が知恵である。あなたの生きる目的は何? そしてそのための方法は? こう考えれば、愛と知恵がいのち(生活)の根本である、とわかる。
(1) 原文
29. Quod in Deo sit Amor et simul Sapientia in ipsa sua essentia, a nemine negari potest; amat enim omnes ex Amore in Se, et ducit omnes ex Sapientia in Se. Universum etiam creatum ex ordine spectatum, est ita plenum sapientia ex amore, ut dicas omnia in complexu illam ipsam esse; sunt enim indefinita in tali ordine, successive et simultanee, ut simul sumpta unum faciant. Ex eo et non aliunde est, quod contineri et in perpetuum conservari possint.
(2) 直訳
Quod in Deo sit Amor et simul Sapientia in ipsa sua essentia, a nemine negari potest; 神の中に愛と一緒に知恵があること、その本質そのものの中に、だれからも、否定されることはできない。
amat enim omnes ex Amore in Se, et ducit omnes ex Sapientia in Se. なぜなら、すべての者をご自分の中の(本質的に)☆愛から愛するから、またすべての者をご自分の中の(本質的に)☆知恵から導く。
☆ in seは熟語として「本質的に」の意味がありますが、ここでは文脈から「自分自身・それ自体の中の」の意味でしょう。
Universum etiam creatum ex ordine spectatum, est ita plenum sapientia ex amore, ut dicas omnia in complexu illam ipsam esse; さらにまた秩序から眺められた創造された宇宙☆は、このように愛からの知恵に満ちている、あなたが全体としてすべてのものはそれら〔愛と知恵〕そのものであることと言うような。
☆ この部分の長島訳「全宇宙は、一定の秩序をめざして造られています」は、まるででたらめです。
sunt enim indefinita in tali ordine, successive et simultanee, ut simul sumpta unum faciant. なぜなら、このような秩序の中に無限のものが存在するから☆、連続的にまた同時に、同時に一緒に取られて一つとなるように。
☆ この部分の長島訳「秩序の点では、不定ですが」とは意味不明の言葉です。
Ex eo et non aliunde est, quod contineri et in perpetuum conservari possint. このことからそして別の出所でない〔から〕である☆、保たれることそして永続的に存在を保たれることができること。
☆ この部分の長島訳「内部包括的で」とはやはり意味不明の言葉です。この29番後半の長島訳は訳文だけを読めば、それなりの内容となっていますが、それは著者の意図する内容とは異なっています。自由訳の典型でしょう。
(3) 訳文
29. 神の本質そのものの中に愛と一緒に知恵があることは、だれからも否定されることはできない。なぜなら、すべての者をご自分の中の愛から愛し、またすべての者をご自分の中の知恵から導かれるから。さらにまた秩序から眺めた創造された宇宙は、あなたが全体としてすべてのものは愛と知恵そのものである、と言うようにも、愛からの知恵に満ちている。なぜなら、このような秩序の中に、連続的にまた同時に、一緒に取られて一つとなるようにして、無限のものが存在するから。このことだけから、保たれ、永続的に存在することができるのである。

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