【宿題】ちょっとだけ長い文でしたね。「知らない単語がいっぱいあるからやめた」と放り出さずに、何とならないかとしがみつくのも何かの勉強になります。何も知らないところにポンと投げ出されても、何か手がかりとなるものはないかと探すうちに、いわゆる「勘」が養われます。
私のヘブル語学習がそうでした。動詞も名詞も区別がつかず、どこからどう手をつけたらよいかわからない文章でしたが、文全体の意味は聖書の文句だったのでわかっていました。でも目の前にはへんてこな文字が並んでいるだけでした。これじゃあ暗号、未読文字の解読だな、といった気がしました。「膠着語」といって、ひとつの単語の「前・後」にくっつく前置詞や人称代名詞があります(分かち書きがされていない)。「前」もですよ! そのまま辞書を引いても出てきっこありません。ひとつにくっついた文字の羅列から前後の文字を引き剥がさなくては、辞書すら引くことができません。突然、密林に迷い込んだ気がしました。手探りで、道を求めてさ迷ったことも今では楽しい思い出です。しかも、どんな言語でもやっているうちに何とかなるもんだ、という変な自信もつきました。
このようについ前置き(雑談)が長くなるのが私の授業の特徴でした(というよりも教員時代の最後のほうは雑談を楽しみました)。閑話休題、文の区切りはコンマや接続詞が有力な手がかりとなります。
まずは接続詞「sed(しかし)」で切れますね。そこまでの文で、主語が「revelatio」動詞が「detur」とわかれば、予習としてはまあまあ。「sed」以後は長くなりますが、どこが頭でどこがしっぽか? やはり「revelatio」が主語らしい、そして動詞の「sunt」が二つあるな、とわかればこれで予習は上出来、終了です。
長くなりそうなので短い前半だけにしましょう。
副詞「hodie」:日にちの今日(きょう)の意味もありますが、ほとんどの場合、現在の時を意味する今日(こんにち)。
動詞「do」:detur をひいても出てこない「-tur」は動詞の受動態の形だからと「de-」全部をみてもそれらしい動詞が見つからない。不規則動詞とまでは言いきれない、こうした単語が初心者泣かせなんですよね。仕方なしに項目「D」を全部あたる。確かに能率悪い。でも、しぶとく、ねばり強く、何度かこんなことをしたほうが効率よく勉強するよりもよいのかもしれない。意味はいろいろあってここでは「与える」。
副詞「solum」:ただ、だけ。(英語の solo はこの語と関連あり)
これで「hodei ~ Verbum」が訳せます。訳してみてください。
「今日、啓示はただみことばによってだけ与えられる」ですね。
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この言葉をすこし味わってみましょう。前回(No.7)と関連します。
「啓示」とは何でしょう。宗教は「啓示」を特徴とします。アメリカに行ったことのない人がアメリカをどう考えたらよいでしょうか。自分が知らないから、そんな国ないだろう、とは思いませんね。自分がアメリカに行くか、それができなければ、行って、見てきた人の話を聞くしかありません。
ここでアメリカを「霊界」に置き換えてください。霊界を見てきた人がスヴェーデンボリです。あとはその人を信用するかどうかです。
自分の頭で考えてどうなるものでもないもの、これは「啓示」によるしかありません。昔の預言者たちは啓示された。スヴェーデンボリは霊界を啓示された。そのことを信じるのが宗教です。
スヴェーデンボリ自身は、なぜ啓示を受けたのか。ここの文からは、彼自身が心を尽くして聖書を読んだことがその基盤となっているのがわかります。
では、だれでも、聖書(みことば)を読めば、何らかの啓示を受けるのか? となると、それに答えたものが後半部分になります。ほんとうの啓示(genuina revelatio)はどういった人に与えられるか?
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では、後半 sed 以下の文を【宿題】として予習してください。ヒントとしては名詞に限れば「愛(amor)」「真理(verum)」「名誉(honor)」「利得(lucrum)」「目的(finis)」といった言葉ですね。