スヴェーデンボリは独特だったか(その2)

脳の進化
 人間の脳の特徴の一つは、それが爬虫類の脳、哺乳類の脳、新皮質に分解できることであり、この最後のものは、人間とおそらくチンパンジーやゴリラのような霊長類の中だけに、しかし、他の動物のさらに古代の組織と共有して、見いだされる。私は前者の二つを古い脳、新皮質を新しい脳と呼ぼう。
 新皮質よりももっと古いものは、いわゆる哺乳類の脳であり、それは両生類と爬虫類の中に原始の形で存在するが、しかし哺乳類の中で大規模に広がっている。トラフサンショウウオと呼ばれる両生類の脳は、古典的な本C. J. Herrickの『トラフサンショウウオの脳』(シカゴ大学出版、1926年)の中に極めて完全に調べられている。それゆえ私は、この論説で、それを話に出す。
 トラフサンショウウオの脳は全部でたったエンドウ豆二つの大きさであり、いわゆる哺乳類の脳のちっぽけな相同器官、空洞へ向かう海馬状突起、ちっぽけな感覚‐運動モジュール(機能単位)をもつ。そのモジュールには、哺乳類から連想するような感覚の能力がほんの少しかほとんどない。その〔感覚の能力の〕特徴ゆえに、ヘビやカエルよりもよい愛玩動物となるのである。
 トラフサンショウウオは、イモリやカエルやヒキガエルといった生物に非常に近い両生類であり、脊椎動物(門)の早期の先祖の這う生き物である。3億年前のデボン紀の時代、この地球の減少した水溜りからでてきて、進化した。彼らは、爬虫類や、早期の哺乳類とともに生き、共存し、ついには、今日の人類と世の中を共有した、ちょうど私たちが彼らの脳を共有するようにである。しかし私たちはこのことを知っているが、彼らは知らない、私たちの脳の組織に感謝しよう!
 発生解剖学を研究する者の間でよく知られた言葉は「個体発生は系統発生を繰り返す〔固体が系統発生の諸段階を反復する〕」である。これは、それぞれの個々の動物の発達は過去の進化を繰り返す、と言うことである。このことが、私たちはより原始的な生物と脳の組織を共有し、それらの自然界に対する知覚を私たちが共有することができる、と言う理由である。
 動物の中に、動物界の大部分の(分類の)門の間に共有されるものと関連する、脳とからだを見いだす。たとえば、人間と他の動物の首の組織には、魚のえらに関連するものがある。それらはそれら自身を、それぞれの生物の発達の経路、すなわち、卵から胎児を経過しておとなへの個体発生の時々刻々に示す。神の映像である人間の中に見いだされる器官を、同じく這うものの中に、いのちをもって動く生物、天の大空を飛び回る鳥、家畜や地上の他の野獣、その他の中に見いだす。私たちは動物と器官を共有する、それゆえ、心理学的な、霊的な習性も共有する。スヴェーデンボリは、動物を特徴づけるこれらの習性は、人間の中に見いだされると説明し、彼はそれらの習性を霊的な品行を部類分けするのに用いている。たとえば、よい動物は、人間の気持ちのよい性格に対応するから「よい」と呼ばれ、悪い動物は、悪い人間の性格に対応するので、「悪い、邪悪」と名づけられる。