しばらく文を眺めて、単語を調べましょう。キーとなる単語は何ですか? speculumですね。2度出てくるし。
Coram omni illo, qui statum mentis suae formavit a Deo, est Scriptura Sacra sicut speculum, in quo videt Deum, sed quisque suo modo. Veritates, quas ex Verbo discit, et per vitam secundum illas imbuit, illud speculum componunt.
前置詞「coram」:~の面前で、~の目の前に。
名詞「status」:(No.10ででてきたが学んでいないので) 状態。英語state。
名詞「mens」:心、精神。一般的な心の意味もあるが「知的な心」をさすことが多い。
動詞「formo」:形作る、形成する。名詞formaは英語formの語源。formal、formationなど。
名詞「scriputura」:書くこと、書かれたもの。
形容詞「sacer」:聖なる、神聖な。Sacra Cenaは聖餐、Scriptura Sacraは聖書、聖なる書物。
名詞「speclum」:鏡。英語spectacle(光景)やspectator(目撃者)と関連がある。
動詞「video」:見る。ビデオはこれが語源。英語のつづりもこのまんま。
代名詞「quisque」:それぞれ、めいめい。
名詞「modus」:方法、仕方、手段。英語mode(様式、流儀、モード)の語源。フランス語では女性名詞なら「流行」の意味だが、男性名詞なら「方法」など。ついでながら、ラテン語を語源とする語はフランス語のほうが英語よりもはるかに多い!(というよりもラテン語の方言がフランス語に見えてくる。フランス語にとってラテン語は親戚のおじさんだね)
名詞「veritas」:真理。真理のうちでも特に主と結びつく真理。ほんものの真理(真理にほんものも偽ものもありませんが、こんなニュアンス)。
動詞「disco」:学ぶ。deciple(弟子)の語源。
動詞「imbuo」:(精神的に)吸収する、身につける、しみ込ませる。
動詞「compono」:作り上げる。英語ならcompose。
文の構造は――illoを説明しているのが「qui・・・a Deo」。次estが文頭にあって、「あれ、主語があったっけ」とまごつきますね。ありません。ここは倒置文。鏡の中にdeusを見ますが自分のmodoで。みことばから教わる真理とそれにしたがった生活で、鏡を作り上げる。複雑ではありませんでした。
では訳してください。最後の課業です。
「自分の心の状態を神により形作ったすべての者の前に、聖書は鏡のようであり、その中に神を見る、しかしそれぞれが自分なりに〔見る〕。みことばを通して学んだ真理とそれにしたがった生活によってその鏡を作り上げる」(『真のキリスト教』6:2)
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自分のまわりの世界は、自分の心を映し出す鏡です。外の世界と内なる心の世界はつながっています。ユングの心理学のようですね。自分の心が楽しければ、身の回りに楽しいことが起こる。
聖書(みことば)もそうなんですね。そして、その中に自分の心の中にある神を見るんですね。どのような神が映し出されか、その鏡は各自が作り上げるんですね。曇っていたら何も見えない。
雑念かもしれない、神社の御神体として鏡が鎮座していることを想起する。
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以上で思いつきのようにして始めた「原典を学ぼう」を終わります。決して体系的ではなく、語り口に違和感を持つ人には読みづらかったかな、と危惧します。
「ともかく、原典にかじりついてみる。かじって、何か味わえたら味わってみる」。私自身がこの気持ちで話しを進めてきました。原典がすこしでも身近なもの感じられたなら、幸いです。
読者の方々、今後も学び続けてください。この「学びの機会」を与えられたことに、私も感謝しています(このことについては別に述べる)。ちょっと休憩して、「原典講読」を連載する予定です。