宿題はむずかしかったでしょうか? 主語は Homo「人間は」、動詞は potest「~できる」と見定めることができればO.K.です。(potest 以外に動詞らしいものは見当たりませんね)
文法知識の基本を知っている人なら、potest が動詞の不定法を取ることから、それが scire「知ること」であり、その前に non があるから「知ることができない」、そしてその後に de「~について」があることから、ほとんど中身が捕えられたのではないでしょうか?
では学びましょう。上記のように動詞は一つで文の構造は簡単なので、単語がわかれば、訳せるでしょう。
前置詞「absque」:奪格支配「~なしに」
前置詞「ex」:「e」の形も用いられます。奪格支配「~から」
名詞「Divinum」:神的なもの。
否定辞「non」:「~でない」、英語の not ですね。
動詞「scio」:「知る」。動詞 scio を引くと、その後に -re -ivi -itum. tr., intr. となっています(田中『羅和』は最後の部分が違っています)。それぞれ(能動態・現在)不定法、(直説法・能動態)完了(一人称・単数)、(目的)分詞(スピーヌムとも言う)です。私は簡略して「不定法・完了・分詞」としています。ここはこの不定法。これを「不定詞」とする文法もあります(英語はこれですね)。そしてやはり英語が苦手だった私は「不定詞」とは何のことかわからなかった。これもネーミングがよくないのか? 何が「不定」なのか? ずっと後でわかったが、動詞の原形とも呼ばれるように、動詞の(活用などの)形が定まっていないのですね。だったら「未定」としてくれたらわかったかもしれない。
不定法について詳しいことは省きます。簡単に言えば「動詞的名詞」(動詞を名詞として扱う時の形)です。それで scire は「知ること」となります。
代名詞(形容詞でもある):「aliquis」:詳しくは「レキシコン」を見てください。ここでは「あるもの、何か」ですね。
動詞「possum」:頭に pos- がつくだけで変化は「sum」と同じ。意味は「~できる」なので「何ができるの?」となるとそこに動詞の不定法を持ってくる。それで「scire と potest」で「知ることができる」、それが non で打ち消される。
前置詞「de」:奪格支配「~について」、「~から」の意味もある。「著作」の題名によく使われる。「De Caelo…et de Inferno」(天界と地獄)、「De Amore Conjugiali」(結婚愛)、「De Ultimo Judicio」(最後の審判)などなど、いくらでもある。
名詞「vita」:「いのち、生活」。この語で思いつくのが森鴎外の「ヰタ・セクスアリス」。ラテン語でVita Sexualis (性欲的生活)と言われるが、sexualis の意味(を私)は確認できない。私は鴎外が好きで、この本も読んでいる。「性」は人生の大問題だ、として自分の「性」を振り返ってる。おもしろいよ。
形容詞「aeternus」:「永遠の」a を取れば英語の eternal ですね。ラテン語 ae- の単語は e- とすると、それに近い英語がいっぱい見つかります。
単語の勉強が長くなったのでここらでやめよう。ここまでを訳してみてください。簡単です。
「人間は神的なものからの啓示なしで、永遠のいのちについて何らかのものを知ることができない」
またはやや意訳して「神的なものからの啓示がないなら、人間は永遠のいのちについて何も知ることができない」
「死んだらどうなるの?」「いのちって永遠なの?」とは、だれもが抱く疑問ではないだろうか。考えて答えの出せる問題ではない。だれに聞いたらよいのか、聞いてもまともな返事がもらえそうもない。そのうち世事にかまけて、こんなこと考えていてもなんの腹の足しにならないので、やがて考えることをやめてしまう。しかし、疑問を持ち続ければ、いつかは答えが与えられる。スヴェーデンボリの著作の中に、聖書の中に答えを見いだした(少なくとも私は)。
それらの書物が「啓示」だからである。
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では残り半分を宿題とします。「de」が二つあるように、「知ることのできないもの」があと二つ述べられています。
日: 2008年4月5日
ちょっとひと息

千葉市「昭和の森」のサクラ (Prunus) の花 (flos, ris, m.) は満開でした。おそらく、あと2週間くらいしたら、今度は八重桜が咲きはじめることでしょう。そして、ツツジ(Rhododendron)、アヤメ (Iris)、アジサイ(Hydrangea) と公園は花の見ごろが続きます。