前日7日にローマに着いた。宿はテルミニ駅近く。8日は一日中フリー(自由見物)の日である。
昔から12月8日には因縁のようなものを感じていた。イタリア旅行の予約では、第一希望の日が希望多数でうまっていて、第二希望のこの日程となった。結果的に「大正解」だった。
12月8日といえば、日本では真珠湾攻撃による「太平洋戦争の始まった日」。イタリアは休日である。マリアの「受胎告知日」であり(こうしたことは現地に入るまで知らなかった!)、それで休日、さすがカトリックの国であった。
朝の天気はあいにくの小雨(そのうち止んだ)。傘をさし、てくてく歩き始める。ローマはいたるところに見所があり、それらがちょうどうまい距離にあり(10分ほど歩けば次の観光スポット)、歩くのに絶好、歩いていて全然飽きないし、一番よくわかるのが歩いてみること。
まずは(最初だけ方向に迷ったが)近くのサンタ・マリア・マジョーレ教会。壮大。(当然ながら)礼拝していた。この礼拝にぶつかったのが最大の収穫。他の日程では不可能、建物を見るだけになってしまう。途中から加わり、聖体をいただく。
次が本日のメイン「サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラノ教会」。ジョヴァンニとはヨハネのこと(洗礼者ヨハネと、弟子のヨハネを祭っている)。カトリックの大本山サンピエトロ大聖堂(前日訪れた)ができる前まではずっとここが大本山の由緒ある教会。サンタ・マリア・・・とともにローマ四大聖堂の一つ。
礼拝の終わりごろ中に入ったので加わらず、壮麗な建物内を眺めているうち(観光客も少なく、日本人は皆無だった。そのことがうれしい、自分たちのことは棚に上げて)、次の礼拝の準備が始まった。絶好の機会、すぐさま参列した(そのときの式文は今もある)。式はもちろんイタリア語だが式文があるので聖書のどの個所を朗読しているのかなど、よくわかった(式そのものも大体見当がついていた)。
そのうち聖歌隊の合唱が始まった。高校1年の時、音楽の時間に、近代音楽の始まる以前の音楽としてグレゴリオ聖歌を習い、歌った。「キリエゾン・・・」というものである(その他数曲、レコードも聴かされた)。よく覚えている。以来40数年たって、なんと本場で、大聖堂の中で響き渡るこの曲を聴くこととなった! この日のために習ったのか! 遠い昔に習っていなかったなら、単なる聖歌でしかない。人生の奥深さを感じる。そのうち男声テノールの独唱が始まった。なんと甘美な声なのか! 感涙。これまでのどんな音楽会よりも感激した(しかも無料である)。
ここでもやはり聖体をいただいた。式そのものでは参列者同士が握手したりした。カトリックの礼拝を最初から最後まで初めて経験した、それも本場の由緒ある教会で。これで私も立派なカトリック信者なのか?
たまたま偶然にこの休日にローマを訪れることになった。出発前は教会の建物を見るだけしか思っていなかった。現地についてから、教会に着いてから、礼拝に参加することになった。
スヴェーデンボリの著書に「偶然はない」という。こうしたことは私にとって必然だったのか?
満たされた気持ちで教会の前の広場に出たら、入るときは気がつかなかった次の目的地「コロッセオ」がまっすぐな通り(名前はサン・ジョヴァンニ・イン・ラテラノ通り)の先に見えた。