新版『レキシコン』とチャドウィック

 SPI(Swedenborg Publishers International)の「会報」(2007年秋号)に、『レキシコン』がロンドンのスヴェーデンボリ協会から来る4月中旬に出版されるニュースが載っていた。(以下そこの記事から)
 この近代ラテン語の「レキシコン(辞書)」は故ジョン・チャドウィックの編集によるものである。この古典語の学者は古代ミノア語の文書である線文字B解読の仕事で世界中に名高かった、今だにそうである。また彼は、何年もの間『Oxford Latin Dictionary』の編集者を務めてきた辞書学者であったことも忘れてはならない。
〔注釈:ミノア語とは、古代クレタ(紀元前3000-1100頃のクレタ島での青銅器文化)言語。線文字Bとは、紀元前15-12世紀頃、クレタ島とギリシア本土で用いられていたギリシア語を表記する音節文字。1952年にヴェントリス(英)が解読した〕
 ロンドンでは4月17日に出版記念の集会が開かれる。そこではチャドウィックから後継者とされたジョナサン・ローズ師など3名の同僚や仲間が、①「辞書学について」②「近代ラテン語学の最近の事情について」③「新版について」の講演を行なう。
 この「レキシコン」は一人の著者〔スヴェーデンボリ〕の著作を扱ったものであるが、単語の一覧表などではなく、近代ラテン語とその用法の最初の辞書と考えられる。本書がスヴェーデンボリや近代ラテン語の研究者だけでなく、神学者、哲学者、歴史家、その他この数世紀の間にラテン語で書かれた文書に関わる者の助けになることを願う。

一つの夢

ホームページは基本的にHTMLという言語で書かれています。HTMLとはHyper Text Makeup Language の略です。それはテキストに印をつけておいて、テキスト同士をリンクさせる機能をもっています。このような機能はスヴェーデンボリの神学著作を読む上で非常に役立ちます。
お読みになった方はお分かりのとおり、スヴェーデンボリの著作の特徴は、著作同士または著作と聖書が密接に結びついていることです。特に『天界の秘義』を参照をうながすための番号や聖書の引用が随所に見られます。
さて、現実に神学著作を徹底して読もうとすると、大変なことです。聖書だけでも1000ページ以上ありますが、著作はその数十倍のテキストです。さらに翻訳書や原典や英訳書などを参照し、辞書も必要となると、これらを相互に参照して読もうとすると本棚一つを前において、机に本の山を築く結果になります。
ところが、インターネットやHTMLの出現により、パソコンが1台あれば、広い場所を占領することなく、数百冊でも数千冊の本であろうとも、あっという間に必要な箇所を検索して、表示して読むこともできますし、辞書を参照することも可能となりました。HTMLからさらに進化したXHTMLなどの言語を用いれば、さらに精度の高い検索や研究が可能となります。
そして、スヴェーデンボリの著作はそのような時代の読者を想定したかのように、書かれているのです。それは用語が統一され、番号がふられ、縦横無尽に読み解き、思索し、瞑想し、その重厚な精神世界を吟味し、味わうことが可能な神のみことばのネットワークが構築されているのです。まさに、それはニューエイジの聖書です。
私がインターネットによる活動に重点を置いている理由はそこにあります。紙の書物にはそれはそれで利点がありますが、スヴェーデンボリの神学著作はその全体像を学ぼうとする者にとってはあまりにも膨大です。
もちろん、知的に学ぶことが本道であるとは思いませんが、それが不要であるとも思いません。
英語圏ではパソコンで全著作と聖書を相互に検索したり、読むことができる環境がすでに整っています。しかし、日本語ではまだそのような環境はととのっていません。
私の一つの夢はそれを日本語で実現することです。ラテン語の辞書や一部の神学書はネット公開できるまでにいたりましたが、全著作公開までは長い時間がかかりそうです。
短期間でそれを実現するために、同じ夢をもち、それを実現したいと願い、実行に移せる人があと何人か現れてほしいと思っているところです。現在、鈴木さんが手がけているレキシコンの完成はそのような夢を一歩前進させるステップ、土台にもなることでしょう。